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いよいよ職場復帰 [健康のこと]

1月21日に受けた人工心肺下での心臓三枝冠動脈バイパス手術から間もなく2ヶ月が過ぎ、
当初の治療計画どおりに、年度末ぎりぎりで来週(3月23日)から職場復帰となります。


だけど、不安と緊張が交わった複雑な心境が・・・・・   大丈夫なんだろうか ? 自分 ?

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で、今回の手術に至った経緯と顛末を少し・・・・

急に自覚症状が出たのは12月の中旬頃、自転車の自主トレとして日頃走っているコースがいつにもまして苦しいし重い。胸元が締め付けられるような・・・・、呼吸器がやられたか?
近々に人間ドックがあるので、そこで確認しようと考え自転車は苦しくならない範囲で走ることにしましたのだけど・・
この苦しくない範囲が日に日に短くなっていき、5キロが2キロに、
2キロが500メートルにとなって、ドック前日には平地を時速10キロ以上では500メートルも胸が苦しくて走れない状況になりました。

そして、人間ドック。
呼吸器の検査は問題なし、しかし、電図に異常波あり、 心臓の精密検査が必要! となってしましました。

数日後、循環器内科に外来受診したところ、狭心症の症状が出ている!
それも急速に悪化している!! ので、その日から家庭内で安静状態と投薬治療が開始!となってしまった。 薬の副作用もあって、頭がグルングルンして自分の気持がついていけない・・・・、一週間後にカテーテル検査を受診と決まり、職場はこの日から病休扱いの戦力外としてもらいました。


12月23日、 カテーテル検査入院。
翌24日、実施した検査の結果、主要冠動脈3枝病変が起きているとのことでした。
1本は完全閉塞で、残りの2本も強度の狭窄という結果。軽度の狭窄であれば、当日にバルーンカテーテルかステント挿入の手段もあるのですが、多枝病変があるので改めて複数のカテで再治療を行う必要があるとのことで今回のカテはここで撤収です。

次回のカテーテル処置は年明けの1月7日と決まり、その間は病院で(高レベルの)安静状態に置かれることとなり・・
・・・  とほほっす
ここから、長い入院生活が始まったのです。

自分の誕生日(24日)、クリスマス、大晦日、正月・・・  と我が家の年末年始の大イベント全てをパスし、病院で入院生活を送るなんて考えもしませんでした。  これも病気だから仕方が無いのですがね。

そう! 病院食では、クリスマスにケーキ、大晦日に年越し蕎麦、元旦にはお雑煮が出ましたョ ♪♪

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1月7日、 2回目のカテーテル。

前回は右手首の動脈から1本だけ挿入したのですが、今回は閉塞した冠動脈を開通させステントを数本挿入する術を行うために2本のカテーテルを挿入することとなり、1本は左手首から造影剤を打ち込みながら、もう一本は開通作業を行う太いカテーテルなので右足の付け根(そけい部)の動脈から挿入しました。
カテーテル室には担当医師2名以外にも循環器内科の医師数名が別室でモニターを見ながら指示を出し合いながら施術が進みます。 途中から指示の受け答え声が大きくなり、英語の専門用語でやり取りが続き、緊張感が高まっている様子が分かります。カテーテルは部分麻酔で行うので、周囲の状況は全て分かっちゃいます。   で、 施術はいったん中止。
全医師が集まってのミーティングで、閉塞箇所の治療を中止することに決まりました。

あ~あ でしたね。

止血後、担当医師から説明を受け、閉塞箇所の血管がカテーテルを通せないほど弱く、動脈乖離を起こす危険が大きいので中止することとした。今後は、冠動脈バイパス術で治療するしかない。
ということで、担当医師が胸部外科の専門医にバトンタッチすることとなりました。
ここまでは、想像していた最悪のパターンを進んでいることは確かで・・・

1月14日、病室も循環器内科の病棟からICUと隣接の外科病棟に移動となり、いよいよ手術に向けたカウントダウンです。反面、早くやってくれ~!ってのが本音でしたが・・・

心臓冠動脈バイパス手術は1月21日に実施することが決まりました。

それまでの間はベット上で安静状態を保ちつつ、レントゲン、CT、心エコー、MRIなどなど、数多くの事前検査を繰り返し、担当医師から本人及び家族へのの施術説明と意思確認、最後に麻酔科医師の問診が手術前日に行われ、これで事前準備が終わります。
実は、入院前から前歯を治療中でして、このことを麻酔医に言うと、人工呼吸の管を挿管する時にグイグイやるので前歯が折れるかも・・・・って脅かされ、術後の心配ごとが「前歯がありますように・・」なんていう緊張感の無い患者でした。

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1月21日、手術当日は緊張感なく朝を迎えました。

早くやって下さい皆様!って感じでした。
妻と父に見送られ手術室には朝9時に入ります。車椅子で移動し、手術台への階段を自力でひょこと登ります。 ここは、一番大きな手術室なのかな? 以前、足の手術を受けた手術室やカテーテル室とはその設備が全然違います。 人も沢山居ます。医師が4名か5名、看護士が沢山、技師も沢山でワタクシの心臓の改造手術に関わっていただきます。  感謝です。

いよいよ手術が始まります。 

ぱっぱっぱと着衣を脱がされ、スッポンポン状態。

麻酔医が緊張をほぐすために世間話をしてきます。

全身消毒が始まっているようで、ジャバジャバと生暖かい液体で全身を拭いています。

麻酔医が注射するとこまでは意識があり ・・・ ・・・ ここでVサインをビシッと ・・・・ あれ?

なにか話そうとしたような ・・・・???  ロレツが・・・??  モニャモニャ・・?  ・ 

          Zzzzz ・・ 

 

(午前9時に手術室に入り、準備に一時間半位かかり、手術は人工呼吸と人工心臓下で3時間超、その間は自分の心臓が停まっていた訳で、現代医学って凄い! そして、術後の処置に1時間半かかり、午後4時近くに手術室からICUに移動となったそうです。  手術は成功!  ワタクシは担当医師や家族とICUで受け答えをしたそうですが、この間のことは何も覚えていません、 人工的に心臓や肺が止まっていたことなんて ・・・・  )

手術は、機能を失った血管の代わりにバイパス血管を3本接続させ血流を確保してもらいました。
1本目は左内胸動脈を、2本目は左腕の橈骨動脈を、3本目は左足の太股の内側にある大伏在静脈を使い手術を行ったそうです。一般的には胃の脇を通っている胃大網動脈を使うんですが、ワタクシは胃潰瘍の病歴もあり、胃潰瘍の再発を防ぐためにこの血管は残したそうです。

で、   ドカン!!  と背中を押されたように目が覚めました。   麻酔が切れたんですね。

担当医がモニターを見つめています。 夜の8時近くでした

手術はうまく行きましたよ、もう少しこのままの状態で居てください」と声かけしてくれました。

しかし、ワタクシ気道挿管中なんで話せません。
うなずくだけですが感謝の御礼を。

その後、深呼吸テストもクリアし、無事、抜管。
これが遅れると面倒なようなんで、早く取れてよかった。 しかし、 喉が痛いし声が出ない・・・
でも、前歯は折れてなくて無事だった~

大手術をした後なんで、全身管だらけのようです。
酸素マスクとネブライザー、点滴が腕に2本、首に2本、腕の動脈に緊急輸血用の管が1本、体内の出血を排出するドレーンが2本、ペースメーカー用のリード2本、尿道カテーテル、自動血圧計、心電図の電極が体中に・・・・  凄いことになっていたんです

手術後の辛さで一番辛かったのが、心臓周囲の出血や体液を排出するドレーン管が体の中の神経に当たり 激痛 が襲ってきます。 身体をわずかでも動かそうものなら痛くて痛くて、呼吸も出来ないほどです。
初日の夜は点滴に鎮静剤を挿入してもらい、一時的には激痛が遠のくのですが、薬が数時間で切れると・・・
痛みで、目の前に 火花が  ビシっ! バシっ!  と飛び交います。 
変な夢も見たなあ・・・ 幻覚?? 妄想?? 

 

この痛みは暫く続き、、翌日も、その次の日も痛みで睡眠不眠となってしまします。
鎮静剤を注射や投薬で入れてもらい苦しい夜を乗り越えていきました。  ドランカー状態っす

結局、一週間後に腹部ドレーンを抜くまでは(この時、麻酔もせずに管を抜くモンですからスンゲー痛くて、火花が目の前を飛びました!!) この痛みにさんざん苦しめられましたよ・・・  痛ぅぅ

手術後4日目にICUを卒業しました。 

 ↓ ICU 卒業の日
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ICUから個室に、そして、2人部屋4人部屋と手術前の入院生活に戻り始めます。
トイレまでは自力で歩いていく許可も出たけど、数日のICU生活ですっかり筋力は衰えバランスも悪くなり、まともには歩けない自分でした。 情けねー
この時期に苦しかったのが便秘で、まるで石が蓋をしたような感じになってしまい、ブルブルと震えてしまう位の辛い思いをしました。

そして、術後一週間目からテレーターの電波の届く病棟フロア内は自由行動が許可され、一周80メートルの病棟内を周回しての歩行訓練を始めました。また、食事もお粥からご飯にと変わってきて食欲も回復。 
しかし、胸部や左腕には強い痺れと痛みがまだありますし、ドレーン跡が未だに痛く・・・咳やクシャミが恐怖です。

これらの痛みと付き合いながら、時間をかけて回復を目指していくこととなります。


2月3日、 手術後14日経過した時点で、カテーテル検査を行いました。

俗に言う、「卒業試験」です。
今回は左手の肘の部分からの挿入でした。
3度目のカテーテルなんで、鼻歌ふんふんものです。  慣れって恐ろしや・・

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結果は「合格!!」   

接続部もうまくつながり、心機能も正常に動いているとのこと。 
この分だと一週間前後には退院できるだろうとの許可を得ました。

やっとの 「やったー」 っす ♪♪
入院48日、手術後19日目で帰宅となり、長かった病院生活もこれで終わりです。

2月8日 退院。 担当医、スタッフの皆さんに御礼を言ってお別れです。 
長い間、ありがとうございました。

また、職場の方、自転車仲間の方々がお忙しい中、お見舞いにいらしていただきました。
皆さんのおかげでたくさんの元気をいただき、退院できるまで回復できました。
感謝感謝です。ありがとうございました。

   Team S.S.R MTB部の皆さん、  あざーした。

お見舞い.jpg  MTB-BU.jpg

で、

帰宅してからは、薬で治療を継続するとともに日常生活面や社会(職場)復帰に向けた体力作りを開始しました。
衣服の着脱、入浴、室内歩行から室外歩行へ、近所のリハビリ散歩から長時間歩行へ、そして、電車に乗っての移動、人込みに慣れるなど、時間とともに「あたりまえな生活」に戻っていけるようになり、担当医師からも手術ご2か月目からの復職の許可(勤務時間は段階的に増やす)がおりました。

さーて、いよいよです。

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基礎体力は少しずつ付いてきているのが分かります。
数時間の外出なら疲労感が出なくなりました。

しかし、胸骨の切断部分の激痛はしょっちゅう襲ってきますし、左手の動脈切除跡の神経も完全ではなく麻痺が残って痛みもありますし握力もありません。
これは、時間をかけて治していく部分なので半年から数年かかるかもしれません。

 ↓ 左手動脈切除後の創痕もシビレ以外はOK。 しかし、手首の屈曲はこれが限界(まだ、手がむくんでいます)

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そんな痛みや不十分な体力で職場に復帰するのは不安や緊張感があるのは事実ですが、
無理しない範囲で(体力的に出来ませんが・・・)ボチボチとやっていこうと思っております。

長い間、多くに方々にご心配をおかけしましたが、社会復帰の第一歩をまもなく迎えることができる報告と、皆さんからの励ましのお言葉に対しまして御礼を述べさせていただきます。


ありがとうございました。


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ではでは  by seiya


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コメント 18

ドングリ

職場復帰おめでとうございます。本当に素晴らしいですね。
自分もseiyaさんからたくさん勇気いただきました!ありがとうございます。
これからも頑張ってください。
by ドングリ (2010-03-18 22:04) 

b.b.mk2

あらためて大変なことを乗り越えられてきたんだなと思いました。
これに比べたら職場復帰なんて楽勝ですよ!
今まで考えがおよばなかったのですが、奥様はじめご家族も大変だったでしょうね。でもホントによかった!
by b.b.mk2 (2010-03-18 23:13) 

un

少しはやいですが、職場復帰おめでとうございます。

月並みですが、これからも頑張ってください。
by un (2010-03-18 23:21) 

val

職場復帰おめでとうございます。
本当に無理をしないで
ぼちぼちとがんばってください!!

by val (2010-03-19 08:45) 

よーちゃん

おめでとうございます!
こうして振り返ると、本当にすごい手術だったんですね。
左手の傷跡も、強烈ですけど、これこそが今の心臓を支えてくれてる
「勲章」なのかもしれません。
年度末の大変な時期ですが、無理なさらず、
一歩ずつ進んでいってください。
by よーちゃん (2010-03-19 19:42) 

seiya

>ドングリさんへ、
nice&コメント、ありがとうございます。
勇気なんて・・・・・、大雑把なだけですよ。
で、やっと職場復帰までこぎつけました。
まだまだ自分の足で歩くのがやっとですが、
自転車でサイクリングロードを走る夢は持ち続けていますよ ♪♪
by seiya (2010-03-19 23:00) 

seiya

>b.b.mk2さんへ、
nice&コメント、ありがとうございます。
ホント大手術だったんですよね。 ワタクシは自覚が足りないようで・・・
今回の入院をはじめ、今だに家族におんぶに抱っこ状態です。
本当に感謝・感謝ですね。

by seiya (2010-03-19 23:02) 

seiya

>unさんへ、
nice&コメント、ありがとうございます。
思い返せば、あっと言う間の職場復帰です。
あ~あ、目が回らないように自制していかなきゃね。
お互い、春から頑張ろう!
by seiya (2010-03-19 23:06) 

seiya

>valさんへ、
何度もお見舞いにいらしていただき、ありがとうございました。
ぼちぼち行かないと、壊れちゃいますしね♪♪
でも、早く病人から脱却したいけど・・・・
焦らない焦らない ・・ですよね。
by seiya (2010-03-19 23:11) 

seiya

>よーちゃんへ、
nice&コメント、ありがとうございます。
体の創は一生消えないものですが、入院・手術を通して
自分の健康を省みるための「勲章」であり続けることでしょう。
年度末、年度始めの嵐に吹き飛ばされないようにしなくちゃね♪♪
ではでは
by seiya (2010-03-19 23:15) 

charingo

断片的に見ると大変な事ですが、経過として見ると着実に前進している事が判りますね。
やっと職場復帰ですね。
自転車で走り回れるように、頑張ってください。
まずは、職場復帰、おめでとうございます。
by charingo (2010-03-20 00:31) 

片瀬山

凄かったんですね!
ここまでの回復、おめでとうございます。

人生観、変わったでしょ。
元のように働こうなんてどっかに行ってしまいますよね。
自分が一番大切にしなければならないことだけを守りましょう。
後は程ほど。

ウン?働くこと?
そんな訳はないでしょ。
by 片瀬山 (2010-03-20 07:32) 

サトシ

職場復帰、おめでとうございます。
あらためて発病から現在までのことがらを読んで、自分だったら乗り越えられないんじゃないかと思ってしまいました。
seiyaさんの精神力と体力、そして前向きな考え方に敬服しました。

by サトシ (2010-03-20 11:34) 

seiya

>charingoさんへ、
nice&コメント、ありがとうございます。
おかげ様で、やっとです。
今のところ順調に回復しておりますので、
このままノンストップで行きたいっすね。
by seiya (2010-03-20 17:50) 

seiya

>片瀬山さんへ、
ありがとうございます。
やはり生きるってことが、何にも増して大事ですよね。
仕事?周りの目? 一度スッポンポンになって心臓を停めた身としては、
なんでも平っちゃらになってしまいますね。
マイペースで残りの人生を生きましょ ♪♪
海岸線をトロトロと走りたいなあ・・・・
by seiya (2010-03-20 17:56) 

seiya

>サトシさんへ、
ありがとうございます。
精神力というより好奇心が強かったので、
どんな事になるんだろう、どんな検査をするんだろう、
最高水準の医学って・・・
全ては興味・好奇心で乗り越えた感じです。

全身麻酔で 「夢」 は見るのか・・・・ こんな興味本位でね♪♪

答えは  「NO」 でした

by seiya (2010-03-20 18:01) 

noahpon

職場復帰おめでとうございます!
あらためて読ませていただきましたが
年末から壮絶だったんですね。びっくり
いたしました。
焦らず、のんびりと仕上げをしてゆきましょう!
ミニベロは逃げませんから。
by noahpon (2010-03-20 21:33) 

seiya

>noahponさんへ、
ありがとうございます。
始めのうちは軽く考えていたんですが、
次第に重大な事態となってしまいまして、
今、生きて居るのも幸運だと思います。
知人宅にあるミニベロ・・・ まだ有ります様に
  お願い!
by seiya (2010-03-20 23:27) 

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